「プラド美術館展」その2

gokaichou2006-10-18

(きのうの日記のつづき)
展示は全5章で構成される。


1 スペイン絵画の黄金時代―宮廷と教会、静物
2 16-17世紀のイタリア絵画―肖像、神話から宗教へ―
3 フランドル・フランス・オランダ絵画―バロックの躍動と豊饒―
4 18世紀の宮廷絵画―雅なるロココ
5 ゴヤ―近代絵画への序章―


特別扱いというか、ゴヤがひとりで1章ひきうけてるところがミソか?
展覧会の副題?にはティツィアーノエル・グレコルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤ
と、今回の見所とすべき6人の画家の名が並ぶ。
その他もヴェロネーゼ、プッサンブーシェなど聞き覚えのあるのから、初めて耳にするようなのまで52作家・81点を展示。作品数としてはさほど多くなく感じられる。
会場は1階のみを使用。後日になって考えると、会場1階だけでおさまる作品数ならば、2階も広く使って展示すれば混雑も緩和できたかもしれないとは思うが、そうするとまとまった魅力が分散されてしまうのでしょうな。


作品中、最も印象に残ったのは、ルーベンス「ヒッポダメイア(デイダメイア)の略奪」かな。
182 × 290センチという大画面で、画中の人物も大きく描かれてた。
結婚式の最中に花嫁を強奪するとかそんな主題で、躍動感がすばらしい。
と評しながら、私は図録もその他のグッズも買わなかったので、この絵の図版が一切手もとにない。
それでも記憶に残ってるくらいだから、よい作品だったわけだ。


プラド展のポスターやチラシにつかわれてた、ムリーリョの「貝殻の子供たち」も勿論みてきた。
この画家は、慈愛溢れる聖母子の絵なんかをよくしたんだよな。
そんな可愛らしさ・親しみやすさに、今回広告に用いられたわけがあるのかも。
ベラスケスの絵には「男の肖像」なんて邦題のがあったが、なんともマンダムな響きだ。
ゴヤ「魔女の飛翔」は小さかった。サイズが。また機会があれば、ダークな彼の作品もみてみたいな。


混雑してたので、じっくりゆっくりとはいかなかったが、有名な画家の本物をいくつも鑑賞できたのは良い経験となろう。やはり絵画でも彫刻でも、本やテレビでみるより実物に近づいてこそ得られるインスピレーションがあるのだろう。

ただ、いかんせんかの国の歴史には疎いので、もっとスペインの栄光が伝わるような、作品の背景が理解できるような配慮があればよかった、とも思う。そして、やはりできれば静謐な環境で作品と向き合いたいものだが、あんまりいうと贅沢ですな。


この秋は、まだほかにも見たい海外モノがあるのだ。楽しいながらも忙しい休日がつづく、か・・・?
(10/17の日記おわり)