「非公開めぐり」という行事

「非公開に行く」
「非公開を見る」
毎年春秋のある時期、私を含め友人の間では、そんな言葉が交わされます。
日本語としてどうなの?という感じですが、身内の間では通用します。
ここでいう「非公開」とは、京都で開催される行事「非公開文化財特別拝観」*1のこと。


春季開催は毎年GWの頃。
で今回、R大の同級生の呼びかけがあり、大学のサークルの同期で集まって
「非公開」が行われているところにいこう=「非公開めぐり」をしよう、
ということになりました。


今回はめずらしく伏見・山科での公開があり、この日の行き先もそこ。
地下鉄小野駅に10時集合。
地上で待っていたのは、R大で同じ専攻だった H君 I田君 T郎君 のお三方。
(…野郎ばっかかよ。思ったより人数少ないし…まぁ、いいけどね。)


などと思ったかどうかはおいといて、
感想など、拝観した順にまとめて書きましょう。

勧修寺

数年ぶりに来た かじゅうじ 。通算2度目。建物内部、土佐派の障壁画等が特別公開。
庭園の説明*2をしてくれた女学生が方言萌え?
境内にある池の周囲を歩いて回れるが、その際 危険をともなう らしい。
以前来たときもそうだったな…。思い出しましたよ。

随心院

ここまでの移動中 Nさん が途中参加。随心院は勧修寺同様、2度目の訪問。
なんだか申し訳ないのだが…、本来このお寺にいる快慶作コンゴウサッタ坐像が、
今回の「非公開」のチラシにその写真が載っているにもかかわらず、
開催期間中は四国は善通寺にお出ましのため拝観できなくなったことの方が
お寺を実見したことより印象に残っている……

醍醐寺三宝

昼食後に行った。桃山時代の建築や庭園で有名だが、
私にとってはむしろ、仏師定朝の造った仏像があった(といわれる)寺、*3
という印象の方がつよいかも。
宝物の案内は、母校R大の出身サークルが担当。
大学周辺から朝ここまで来るの、たいへんでしょうな。
前の両寺院以上に久し振りに訪ねたと思うが、
建物やお庭にはそれほど興味をひかれなかった…
予備知識が少ないとか、人が多かったりしてゆっくりみられないとか、
そういうのが原因か。


快慶作弥勒像がおわす本堂の手前で、T田さん 344さん と遭遇。
ふたりとも大学(サークル)の先輩。
とくに T田さん とは久しくお会いしてませんでした。
彼女は私の顔をみるや、黄色い声を出してえらく懐かしんでおられた…
実際は、私と彼女の住むまちは隣り合ってるんですけどね。


今回特別公開されてたのは、奥の方の部屋とか茶室とか呉春の襖絵とか。
「真の醍醐棚」とでもいうべき?違い棚は、なかなか複雑なかたちであった、と思う。
床の間の壁がみえなくなるくらい、広がりのある棚だったような気がする…

醍醐寺霊宝館

「非公開」箇所ではないが、霊宝館もみる。リニューアルされてから来たのはじめて。
中で宝物をみているところに、今回の面子では紅一点の Mさん がやってきた。
彼女は四国からの参加。この日の朝、高速バスで地元を出発して、
昼過ぎに京都に着いたとのこと。


で霊宝館では、久々にたくさんの仏像に囲まれてテンションが上がった。
山上・上醍醐の薬師堂からおりた薬師三尊像、カマキリ五大明王、如意輪に閻魔天
いま読んでる本*4とも関連する像が多いね。

伏見稲荷大社

醍醐寺からタクシーで移動。荷田春満旧宅、御茶屋などが特別公開。
―旧宅では、天袋?の引き手金具がオモダカをデザインしたものっぽくて洒落ていた。
御茶屋は、棟方志功の襖絵というのがめずらしい。
建物の説明をしてくれた男子は、なかなかのキャラだったな…
ジャパネットの社員みたいでした。


この日の拝観は以上。
夜の呑みのことは、また別に書きましょうかね。

*1:財団法人京都古文化保存協会による。://www.kobunka.com/

*2:「非公開」の場では、大学生による寺社の歴史・所蔵文化財等の簡単な説明が行われる。自分もやってました。

*3:『醍醐雑事記』によると、

*4:至文堂『日本の美術』479「十世紀の彫刻」。4/29の日記参照。