お別れは突然やってきて

RCサクセション「OK」


忌野清志郎

彼の歌が好きになったのは、中学のときだった。近所の店でレンタルして。高校・大学時分には、四度ほど生でもみた。彼の音楽の、人物の何に惹かれるのか、あらためて書くのもまとまらないが、「誰も知らない」という曲の歌詞に、

ぼくのうたう歌を誰も知らない/でもそれはいいことなのかもしれない/ぼくの歌には力がありすぎるから/誰にも聴いてもらえない本当のソウルを愛する君に歌おう〜

とかそういう文句があって、これはこの人の特徴が表れてるなーと思ったものだ。こんな歌をつくるのが彼のすごいところで、素晴らしい。

大学を卒業してからこの数年は、音楽をすすんで聴くことがなくなった。ラジオはまあまあ聞く。CDはぜんぜん買ってない。清志郎の作品であっても。最後に買ったのは「秋の十字架」か(もっとも過去の作品すべてを知ってるわけでもないのだが)。

きのう、忌野清志郎が逝った。今朝NHKのニュース(AM)で知った。

がん闘病中であったのは知っていた。それでも上述のように熱心にフォローしていなかったのだけれど、今の私を構成する一要素といってもよい人が亡くなったことを思うと。

その日が来たのだなと思うと。

やっぱり寂しい気分になる。

平日でなく、この連休中に亡くなったのは、なんとなくよかったような気が、私にはする。しかし彼を愛した、世の中のけっこうな数の人たち(それが何人いるのか私はわからないが、そう表現しておこう)が受ける喪失感は、しばらくの間つづくのだろう。

実家から今の家に持ってきたのは、RCのアルバム2枚。
ライブ盤の「the TEARS OF a CLOWN」を流しながら、これを書いている。
訃報を聞いたファンは、「ヒッピーに捧ぐ」なんかが頭に浮かぶのだろうか?

ヒッピーに捧ぐ


お別れは突然やってきて すぐに済んでしまった
いつものような なにげない朝は
知らん顔してぼくを起こした
電車は動きだした 豚どもを乗せて
ぼくを乗せて


次の駅で ぼくは降りてしまった
30分泣いた
涙をふいて 電車に乗りこんだ
遅刻してホールについた
ぼくらは歌い出した
君に聞こえるように 声を張り上げて


空を引き裂いて 君がやって来て
ぼくらを救ってくれると言った
検屍官と市役所は
君が死んだなんていうのさ
明日 また 楽屋で会おう
新しいギターを見せてあげる

だが!
悲しい気分なんかぶっとばしちまえよ、Baby!

さようなら、ありがとう、清志郎。天国でオーティスと夢の共演かい?