みた展 2007 解説編

チケットたち


昨年の みた展リスト はこちら
下半期が少ないが、見に行けなかったものが幾つかあり、遺憾に思います。


アート鑑賞では昔から日本の仏像がとくに好きだが、一昨年くらいからは絵画・洋モノ・近代(〜現代)モノ等にも惹かれるようになり、そんな最近の傾向が、去年見に行った展覧会にも反映している。そういう興味の幅の拡がりがなければ、京都国立近代美術館兵庫県立美術館を、同じ年に二度ずつ訪れるなんてこともなかっただろう。
混雑度が高かったのは、ダリ展・若冲展・永徳展。あと、ギメ美の浮世絵展(「パリを魅了した江戸の華」)も入場を待たされたか。若冲は22日間で約12万人、永徳は30日間で約23万人が来たそうな(読売新聞07/12/11夕刊)。


順位付けはしない方だが、あえていちばん面白かったものを選ぶと、興奮度の点で「揺らぐ近代」がトップか。日本の絵画に、日本画・洋画という分類が出来たのはそれほど古いことではない、ということにあらためて気付かされ、また日本近代絵画の代表作を多数見ることができた。テーマも、作品も、よい展覧会だった。記憶は薄れつつあるけれど・・・。


で、昨年のワースト。こっちを選ぶほうが、実は自分にとっては容易でして・・・
「ダリ展」です。
といってもダリに罪はない、と思う。私が不満を感じたのは、会場のスペースに対して、入場者をうまくさばけてなかった点である。昨年私がみた中で、総入場者数についてはわからないが、密度ではダリ展が最高(サイテーというべきか?)だった。すさまじい混みようであった。超現実な作品を鑑賞するにあたって、会場の大混雑という現実は辛かった。


混雑自体嫌いではあるが、混雑する展覧会でも、我慢出来るものと出来ないものがある。受忍限度というものがあるらしい。そのどちらに分けるかは私次第、いろいろ判定要因はあるが、若冲展や永徳展は待たされても混んでいても、いちおう満足は得られた。しかしダリ展は耐えられない混雑だったのだ。ちなみに、過去に鑑賞環境の悪さの為に不快な思いをした例として「大絵巻展」*1が挙げられる。


例えば映画館では、みやすさはいざ知らず、全員がスクリーンを見られるように出来ている。私は映画見に行くこと殆どありませんが、そのはずでしょう。しかし、モノを見たくても簡単に見られない状況が起こりうるのが展覧会。もっとも見に行くこちら側としても、人気が高そうな展示のときは、ある程度覚悟して臨むのだ。しかし中身そのものがよくても、人の多さのせいで印象が台無しになっては、見に行くこちらも不愉快だし、企画した側も不本意だろう。

だから展覧会主催者の皆さん、
人を集めることばかりに心を砕かないで、
できるだけ多くの人が快適に美術鑑賞を楽しめるようなご配慮をお願いします。


まとめるつもりが集客批判になってしまった。
まあ、以前から思ってはいたことだ。

*1:「大絵巻展」@京都国立博物館 4/22-6/4 2006