京博 春の特別展は…
ひと月ほど前京都国立博物館へ行ったとき*1当館の次の特別展が何であるか知った。
それは、「藤原道長」。*2
金峯山埋経一千年記念、とのこと。何でもアリだな…と思った。
無理に○○××年記念としなくても…。金峯山て奈良だし。
しかし京都らしい、京博らしいテーマである。渋い。地味といえば地味かもしれないが。
チラシをみて、おおっと思ったのは、京都・東福寺同聚院の不動明王像が展示されるということ。
この仏像、もとは藤原氏ゆかりの寺である法性寺の五大堂本尊であったとされる。
道長の日記『御堂関白記』に制作過程が記録される点、
当時最高の仏師であった康尚の作とみられる点等等、歴史上の価値が高いのだが
何にせよスゴいのは、これが丈六(一丈六尺)の座像であるということだ。
その大きさ、265.1センチメートル。*3
ほぼ一千年前につくられたものだが*4これほどの古仏の大像はなかなかない。
思えば、同聚院不動像をはじめてみたのは、
平安建都千二百年を記念して開催された京博の特別展「王朝の美」でのこと。*5
それと同じ会場にやって来る。だからおそらくは「王朝の美」以来、13年ぶりに寺外へ出るのだろう。
今回もその偉容で来場者を驚かしてくれることでしょう。
しかし私としては、現地・同聚院での拝観もおすすめしたい。
普段は閉まっている大きな重そうな扉を、お寺の方に頼んで開けていただく…。
そのときにあらわれる巨大な不動明王は壮観です。
道長展には、あの奈良・子嶋寺の子島曼荼羅も出るとのこと。*6
巨大な曼荼羅や巨大な不動像は、京博の中央の部屋でいっしょに展示されると予想されます。