「飛濤亭」をもう一度

いつか 君といった 非公開がまた来る・・・
と、この秋も恒例の京都非公開文化財特別拝観*1がはじまっている。

いちおう11/10〜11/19の開催としており、ところによっては公開期間が違っているのだが、メインの期間とはかすりもしてない法然院(11/1〜11/7公開)も一連の特別公開と同じ行事として扱うというのは、なかなか荒技のように思われるのですが…。

今回はなんと、というべきか、我が地元・U市でも特別公開が行われる。4ヵ所も。
よってイベントの後援は 京都市・U市 となっている。
もともと京都市内・比較的街なかでの行事と認識してきたが、今年の春は伏見・山科へも拡大し、この秋はU市内にまで及んできた。将来は南山城村とかでもやるつもりだろうか。


さて今回私は、きょう・あす両日で興味のあるところをまわる。今日は京都市内の2ヵ寺を。
まずは大徳寺聚光院
地下鉄で北大路までいって、そこから徒歩で向かう。このあたりを歩くのは久しぶりか…。途中、新しく出来た母校R大学附属のR小学校の前を通った。この学校をみるのは初めてだと思うが、北大路通りに直接面してるとは。ここは以前モデルハウスというか、住宅公園があった土地だったような気がする。

家を出たのが遅かったから、大徳寺に着いたのは14時頃だった。聚光院に来るのは、R大の文系サークル在籍時、自分が同じ行事で当寺を担当したとき以来かもしれない…6,7年ぶりか?私が門をくぐるのと同時に、定期観光バスの軍勢がやってきた。百積庭をのぞむ縁側で、件のR大サークルでいっしょだった1コ下の後輩2人を発見。

きょう聚光院に来たのはもちろん国宝の狩野永徳・松栄障壁画を見たいが為である。
さいきん新聞等でも発表されたが、聚光院所蔵の大量の障壁画はデジタルで複製品がつくられ、原本は京博に寄託・お寺では複製をもとのようにはめるそうな。今のうちに「本来の場」での原本をみておこうというわけです。


久しぶりにみる襖絵には、やはり「ほんもの」が発するオーラがあるように思えた。
ここの障壁画は妙心寺にあるような、色とりどりのものとはちがうけれど。
紅梅か白梅かわからないが、ふしぎと「春」を感じさせてくれるモノクロの梅の木。
部屋によって随分絵のタッチが異なっているみたいだ。
とくに檀那の間→衣鉢の間と移るとき、墨線のはっきりした「琴棋書画図」から淡白な趣の「竹虎遊猿図」へと変わるのが面白い。あの虎の表情ったら…!
自身が、寺院や作品の知識をなんとか覚えて案内に立っていた当時を思うと、今のほうが落ち着いて、広い目で観察できたような気がする。枡床席の枡床たるゆえんも思い出した。
しかしここの襖絵、永徳24歳の作だって・・・。二条城の障壁画も、探幽22歳かそれくらいの若さで描いたんだっけ。うーむ。


以下は業務連絡のような文章です。
案内・警備のうえで気になった点はアンケートに書かせてもらいましたが、さらにいえば「今日は雨ですけど、雨の京都もいいですねー」とか「貴人口から光が射してます、茶室の中がいい雰囲気ですねー」とか、説明中に気の利いたようなことを言うと、拝観する人(とくにおばちゃん)はよろこぶと思います。

それと三好長慶云々の沿革や、方丈建築の部屋の配置等の説明が省かれてたような気がするが、こういうことは案内した方がよいと思う。ただ障壁画の説明に終始するよりはね。あと仏間小襖の絵を「蓮池藻魚図」といっていたように思うが、文化財の指定名称(一連の障壁画の附として指定)は「蓮鷺藻魚図」が正しい。この日記を現役の後輩君がみてるかどうかは知らないが、R大関係者は現場でチェックしてみて下さい。
以上、記憶違いだったら許してね。
(つづく)

*1:p://www.kobunka.com