あの寺 あの庭

(4/9の日記のつづき)
東福寺の境内を抜けて、お目当ての 某寺院 へと向かう…


※ これから書く内容にアレな部分があるので、寺院その他の名称は
伏せておくことにします。わかる方にはわかるとは思いますが。


東福寺界隈は何度も訪れているが、この寺院は初めて。
ここには、ある庭園家のつくった庭があり、それに興味をひかれてやって来た。
この庭園家は、東福寺山内でいくつかの作庭を行っており、
中には私の気に入っているものもある。
この日たずねた寺院の庭園は、雑誌やらポスターやらでみた覚えがあって、
いつかは行こうと思っていた。


某寺院到着。
門をくぐり、玄関を上がろうとしたその時、視線の先に何やら貼り紙が。
おおよそ次のような内容が書いてあった。


「当院は、有料拝観は行っておりませんが、無料ではありません。
拝観される方は、常識の範囲内の志納を竹筒の中に入れてください。」


…常識の範囲内……??
とりあえず小銭を取り出して、その紙が貼ってある竹筒(けっこうでかい)に入れる。
その右手で、別の紙2枚が風にめくれあがっていた。手で押さえて読んでみる。
下記のような中身が。


「拝観無料ではありません。ご協力をお願いします」
「定額の拝観料はありませんが、無料拝観ではありません。志納をお願いします。」


……
うーむ…何だかなぁ…。
まあ、いろいろ思うところはあるが、大きい声では言いづらいので
ここは小さい字で意見しておこう。



ここまで書くんだったら、拝観料を決めてしまえばいいのに…
いや、気持ちは何となくわかるんですよ。気持ちは。
おそらく過去に、心無い拝観者に迷惑をこうむった経験があるのでしょう。

ただこういう文句が書かれてあるのをみて、無粋といっては適切ではないかもしれませんが、
あまりよい印象をうけない私のような者もいます。

個人的には、有形・無形の環境の維持のためなら、有料拝観でもかまわないと思います。
自発ではなく、半ば強制されて志納を払ったところで、
それはもう「志」を「納」めたことにはならないんじゃないでしょうか…?


と、フクザツな気持ちになってしまったが、庭園はよかったですよ。


ここは周辺でも隠れた名所として扱われてきたようですが、
それはひと昔以上前からのことなので、今ではそれほど隠れてもいないようです。
タクシーの運転手に案内された客も、何組かみうけられました。


まずは本堂らしき建物から。
朝鮮仏か中国仏の如来坐像が安置されていた。
本堂側から庭園を眺める。


写真左側の大きい建物には「観庭楼」の額がかかっているようだ。


桜も満開。刈り込まれた緑はツツジだろうか?
それが咲いたら、また華やかな景色になりそう。


建物の縁の下をみると、柱から波紋がたつように仕立てられている。
水上の楼閣をイメージしているのだろう。やることが細かいね。
(つづく)