「僕の文章よりもうまい」とは漱石の評

「文鳥」の挿絵


「気品と、エロティシズム・・・私の生涯のテーマでございます」

檀ふみのステキ発言が聞けた新日曜美術館

画家・橋口五葉が特集されていた。


夏目漱石と交流があり、雑誌「ホトトギス」、また漱石泉鏡花などの作品の
挿絵・装丁を手がけた人物である。

自分の読んだ文庫本*1でも、消しゴム版画のような挿絵が載っているのを見たことがある。

番組では、五葉が江戸の浮世絵にならった美人版画を作っていたという一面をクローズアップし、

また版画制作のために千枚を超えるデッサンを描いていたことも取り上げていた。


そのデッサン、対象は裸婦である。

肉体の把握のために、裸の女性に色々なポーズをとらせたのだろうけれど、

なかなかキワいアングルから描いたものもあり、濃密。

表では流通できないような秘画といった趣きで、そそるものがあった。

オープニングの映像で、闇の中にそれらの素描を散らし、一枚一枚にライトを当てつつ
なめ回すようにカメラを動かしていたのがいい演出だなーと思った。

*1:夏目漱石文鳥夢十夜・永日小品』(角川文庫)。画像も同じ。